がん征圧月間とは
毎年9月は、公益財団法人日本対がん協会が定めた「がん征圧月間」です。
がんとその予防について、正しい知識や早期発見・早期治療の大切さを広める活動が全国的に行わわれています。
がん検診の受診を先延ばしにしてしまうと、気付かぬ間に「がん」を進行させてしまう恐れがあります。
がん発見の機会を逃さないために、対象の方は、欠かさず「がん検診」を受けましょう。
「がん」ってどんな病気
「がん」は年齢とともにかかる率が高くなります。高齢化時代の今日、2人に一人が生涯において一度はがんにかかると推計されており、がんは誰でも遭遇する可能性のある病気です。
がん検診の目的と効果
がん検診は、がんを早期発見し、適切な治療を行うことでがんによる死亡率を減少させることが目的です。無症状のうちに「がん」を早期に発見し治療することが大切で、無症状の人には進行がんが少なく、早期のうちにがんを発見することができます。そのがんを治療することにより、がんによる死亡のリスクを軽減することができます。
肺がん
がんの部位別死亡数第一位は肺がん。2021年の日本全体のデータでは、年間7万人以上が肺がんで命を落としています。肺がんでなくなる人は現在も増え続けています。肺がんの原因は喫煙です。たばこを吸わない人に比べて吸う人では、肺がんになる危険度が、3~4倍になります。たばこを吸わない人でも、受動喫煙(他人のたばこの煙)で肺がんのリスクが上がると報告されています。
【国が推奨する肺がん検診】
40歳以上の男女、年1回、質問(問診)、胸部レントゲン検査及び喀痰細胞診 ※喀痰細胞診の対象者は、50歳以上で喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の人に推奨
胃がん
胃がんで亡くなる患者さんは依然として多く、死亡数は男性の3位、女性の5位です。原因のひとつであるピロリ菌感染率の低下により、徐々に減少していくことが期待されていますが、まだまだ注意が必要ながんと言えます。胃がんの原因については、ヘリコバクター・ピロリ菌の持続感染と喫煙や塩分の多い食品の過剰摂取や、過度の飲酒、野菜、果物の摂取不足などの影響が指摘されます。
【国が推奨する胃がん検診】
50歳以上の男女、2年に1回、問診に加え、胃部レントゲン検査または胃内視鏡検査のいずれか(胃部レントゲン検査については40歳以上、年1回実施可)
大腸がん
近年、大腸がんは急増しており、毎年5万人以上の方が、命を落としています。特に女性では部位別死亡率の1位は大腸がんです。大腸がんは早期発見が大事ですが、初期段階では自覚症状がなく、症状が出てからでは遅いことが多いので、ますは気軽な「便潜血検査」を受けましょう。
【国の推奨する大腸がん検診】
40歳以上の男女、年1回、問診及び便潜血検査 ※便潜血検査は、便の中に微量の血液が混じっているかどうかを調べる検査
乳がん
乳がんは、がんの中でも、日本女性がかかる割合(罹患率)が一番多いがんで、40~50歳代をピークに発症や死亡が増加しており、日本人女性の約9人1人が生涯で乳がんにかかる危険があります。乳がんは、小さいうちに見つけると、治るる可能性の高い病気で、早期に見つかり、適切な治療を受けた場合、90%以上は治ります。
【国の推奨する乳がん検診】
40歳以上の女性、2年に1回、問診及び乳房レントゲン検査(マンモグラフィー)
子宮頸がん
女性なら誰でもかかる可能性のある病気で、乳がんに次いで20~30歳代の若い女性に多いがんです。子宮頸がんの発症には、その多くにヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関連していると言われています。子宮頸がん検診では、がんになる前の「前がん病変」やごく初期のがんを高精度に発見でき、この段階の治療であれば、妊娠や出産も可能です。
【国の推奨する子宮頸がん】
20歳以上の女性、2年に1回、子宮頚部の細胞診及び内診