全国でもここでしか見ることのできない火の粉を浴びて災いを退ける奇祭「タバンカ祭」。
その起源は、応安3年(西暦1370年)に大宝寺別当坊の賢了院が出火した際に、「畳」と「鍋ぶた」を使い火を消したという故事を戯曲化したものといわれています。
大宝八幡宮 タバンカ祭
関東最古の八幡宮として有名な「大宝八幡宮」。
ここで毎年9月の第1土曜日に行われるタバンカ祭は、別名「冬瓜まつり」とも呼ばれ、冬瓜を神前に献上します。
神前に巴型に並べられた畳と、その中央の鍋ぶたに、御飯と冬瓜を盛った「カワラケ(平皿)」を乗せます。
それを祭の所役である白装束の氏子青年が拝殿前へ放り投げます。
このとき砕けたカワラケの破片を拾った人は病気をしないといわれ、参詣の人々が競って拾います。
次に、拝殿前に備えられた二本の大松明(麦わら製)に点火し、勢いよく燃え上がる火を囲んで畳や鍋ぶたを力一杯石畳に叩きつけます。
この時に発するバタンバタンという音からタバンカの名が起こったと伝わります。
この大松明の御神火をいただいた松明を両手に持った所役が、松明を振り回しながら境内を駆け回ります。
火の粉を浴びると火の災いを免れるといわれており、参拝客などが歓声を響かせながら火の粉を浴びます。
これが終わり、畳、鍋ぶた所役は炎を上げて燃え盛る御神火を囲み、バタンバタンという音を響かせて叩きつけ、消火に努める様を演じます。松明が燃えつき、祭りが終わるまでの約一時間は、社伝の八幡太鼓の音が鳴り響き、勇壮さをひき立てます。
大宝八幡宮
住所:茨城県下妻市大宝667
電話:0296-44-3756
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- 歴史・文化
- 再生時間
- 2分34秒