市長所信表明

 令和8年第3回下妻市議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明に先立ち、市長就任のごあいさつと、今後の市政運営に関する所信の一端を述べさせていただきます。
 まずは、令和8年熊本地震及び令和8年8月千葉豪雨により亡くなられた方やそのご遺族、被災された全ての皆様に心からお悔やみとお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。
 さて、8月2日に行われました下妻市長選挙におきまして、多くの市民の皆さまのご支援を賜り、第22代下妻市長に就任いたしました。改めて、市民の皆さま、そして議員各位に対し、心より感謝を申し上げます。市長就任前後に自然災害が相次いでおりますが、市民の生命と暮らしを守る決意を新たにし、6月にご逝去された須藤前市長の思いも胸に刻み、本市の更なる発展に全力で取り組んでまいりますことを、お誓い申し上げます。

はじめに  

 私は、これまでの2期8年間の任期におきまして、ふるさと納税の積み増しと企業誘致を両輪とし、医療費支援の拡充や小中学校給食費の完全無償化、工業団地の整備など、着実な成果を積み上げてまいりました。こうした成果は、言わば「次の飛躍への貯金」であり、今後の4年間は、これまで財源や体制の制約からできなかったこと、そして、新たな時代に挑戦すべきことに果敢に取り組み、「しもつま新時代」を切り拓いてまいります。
 また、これからの市政運営において重視するのが、「市民の皆さまと語らうこと」であります。この先、まちづくりを進めるためには、抱える課題や今後の方向性など、その時その時の状況を正しく伝えていく必要があります。目の前の課題を解決しながら5年後・10年後を見据え、誰もが暮らしやすいまちづくりを推進していくため、確かな判断と正しい情報、さらには、市議会や市民の皆さまとの丁寧な議論を組み合わせ、進めてまいります。
 それでは、市政運営の重点政策の概要を申し上げます。


第1 市民と決める市政   

 私が市政運営の根幹に据える第1の柱は、「市民と決める市政」であります。行政が一方的に施策を決めるのではなく、判断の根拠となる正しい情報をお示しし、私自らが地域に出向き、市民の皆さまとの対話を重ねながら、まちの未来をともに描いてまいります。その象徴的な取り組みとして位置づけますのが、砂沼サンビーチ跡地の今後についてであります。
 私は、かつてと同じプールを再建することは考えておりません。取り戻すべきは、この場所に集った人々の笑顔と「夏」の記憶であります。砂沼サンビーチ跡地は、茨城県が所有する土地でありますが、県と連携していく中で、本市としてもあらゆる可能性を検討し、跡地利活用を積極的に推進してまいります。今後1年以内を目標に、公開の市民検討委員会において、既存施設の解体への要望と跡地の利活用について取りまとめ、市民の思いを県にお届けし、実現に向けた取り組みを進めてまいります。
 加えて、市民文化会館につきましては、改修とした場合に必要となる長期的な修繕費用を考慮すると、現在のところ、私は「建て替え」を基本方針として考えております。しかしながら、先の第2回定例会におきまして、須藤前市長のもとで、改修を見据えた調査費用の予算案が議決されたことは、重く受け止めなければなりません。したがって、この調査の結果を精査するとともに、市民の皆さまの声に耳を傾けながら、文化・生涯学習活動の場を守り続けるための方向性を、総合的に判断してまいります。

第2 子育てに投資するまちへ  

 第2の柱は、「子育てに投資するまちへ」であります。本市の人口は、現在の約4万1千人から、2050年には3万人台前半まで減少すると予測されており、その減少のカーブをいかに緩やかにするかが、喫緊の課題であります。この4年間で、「働く場所・住む場所・育てる環境」という3つの軸を一体的に強化し、若い世代から「下妻で子育てをしたい」と選ばれるまちの基盤を確かなものにしてまいります。
 子育て支援の充実につきましては、予算措置を重点的に講じながら、順次取り組み、入学や進学の節目に合わせた段階的な就学支援制度の創設や小中学校給食費の完全無償化を継続し、全ての子どもたちが等しく学び、成長できる環境を確保いたします。
 学校に通うことが難しいなど、不登校への対策としては「メタバース」を含む多様な学びの場を検討し、安心して学び続けられる環境を整えてまいります。学校の適正規模・適正配置につきましても、保護者や市民の皆さまの声を丁寧に聞き取り、進めてまいります。
 こうした教育環境の整備と連動させながら、次代を担う若者世代から選ばれるまちを目指し、移住・定住の促進や地元企業と連携した就職支援を推進するとともに、結婚・出産・子育てを切れ目なく支援する体制を構築いたします。

第3 安全・安心なまちづくり

 第3の柱は、「安全・安心なまちづくり」であります。各地で相次ぐ自然災害から市民の生命と暮らしを守るためには、地域全体の総合的な防災力を高めることが不可欠であり、基幹避難所の備蓄や設備を充実させることも有事の際の大切な備えになります。こうしたことから、避難所となる小中学校の体育館へのエアコン整備につきましても、検討を始める時期にあると考えています。学校体育館へのエアコン整備は、災害対応ばかりでなく、近年の猛暑における子どもたちの学習環境を大きく向上させるものと期待されます。このほか、自主防災組織の育成や市民の防災意識の向上についても、引き続き支援してまいります。
 暮らしを支えるライフラインである上水道の耐震化につきましては、重要施設への供給管路を優先しながら着実に推進します。道路や橋梁をはじめとする老朽化した社会インフラの維持更新につきましても、優先順位を明確にしながら計画的に対応し、災害に強い強固な都市基盤を構築します。こうした安全な基盤を生かしつつ、地域公共交通の再編などを通じ、市域全体が取り残されることのない、人と人、地域と地域がネットワークで結ばれるまちの実現に取り組んでまいります。
 また、がんと向き合う患者の皆さまが、その人らしく前を向いて過ごせるよう、ウィッグや乳房補助具の購入費助成等にも取り組むとともに、人生百年時代を見据え、健康と福祉の両面から市民の暮らしを支えてまいります。

第4 地域の賑わいづくり    

 第4の柱は、「地域の賑わいと魅力の創出」であります。しもつま中央工業団地におきまして、誘致企業と連携し、「食」と「健康」をテーマとした誘客・交流施設を整備してまいります。工業団地がもたらす雇用と交流人口の拡大による経済効果を市内全体に波及させ、道の駅しもつまや民間商業施設との相乗効果も狙いながら、国道沿いの賑わいを、まちなかに呼び込んでまいります。
 あわせて、市民に長く親しまれてまいりました砂沼の桜を再生するプロジェクトや小貝川ふれあい公園の再整備を進めるとともに、若い世代の定住を後押しするため、住宅取得への支援にも取り組み、「下妻に住まいを構えたい」という思いにお応えしてまいります。
 さらに、本市を舞台とした映画製作事業につきましては、単なる映像制作にとどまらず、シティプロモーションや若者の人材育成を目的として取り組んでまいります。本事業は、地方創生に向けた新たな取り組みでもあり、全国的な情報発信により、交流人口の拡大や地域経済の活性化も大いに望めるものと考えております。必要となる財源は、当初から申し上げております通り市税を投入するものではなく、企業が地域のプロジェクトを寄附で応援する仕組みの企業版ふるさと納税や国の交付金を組み合わせて進めていくものです。市民の皆さまに新たな負担をかけずに実施することを、改めてお約束するとともに、企業版ふるさと納税のお願いのため、引き続きトップセールスに努めてまいります。

第5 暮らしと産業への支援

 第5の柱は、「暮らしと産業への支援」であります。物価高騰対策につきましては、国の交付金とふるさと納税を財源として、子育て世帯や高齢者世帯への生活支援と、プレミアム付き商品券の継続実施により、市内経済の循環を促してまいります。
 農業分野では、梨栽培の地域おこし協力隊モデルを他の品目へも広げながら、担い手の確保と経営支援を充実させ、稼げる農業、そして夢のある農業を、力強く後押ししてまいります。

第6 DXの推進と行財政改革

 第6の柱は、「DXの推進と行財政改革」であります。本市は、関東初の「ノーコード宣言シティー」として、外部委託に頼らず職員自身が業務アプリを開発するなど、先進的な行政DXを推進しています。こうした定型業務の自動化や、生成AIの活用など、段階的に積み上げてまいりましたデジタル化の取り組みは、全国的に高く評価されております。この実績をさらに発展させ、デジタル技術による社会変革を促進するとともに、行政サービスのスピードと質の向上を図ってまいります。
 また、本市が保有する公共施設等のあり方については、全体的な状況を再度検証するとともに、現在策定中の「第2期・再配置計画」の中で、市民の皆さまの声を聞きながら、施設の廃止や統合も含めて方向性を見いだしていきたいと考えています。こうしたことを踏まえ、持続可能な行財政運営を確立してまいります。
 そして、これら全ての政策を進めるために、引き続き、ふるさと納税のさらなる拡充による自主財源の確保が重要になります。私自らが「しもつまブランド」のセールスの先頭に立ち、本市の魅力を発信するとともに、稼ぐ力を高めてまいる覚悟であります。

結びに

 以上、申し上げてまいりました政策は、実施のための財源の裏付けがあって、はじめて取り組むことができるもので、市民の皆さまとの対話を出発点として実現していくものであります。私は、意見の違いを対立の種とせず、より良い結論へ導くための推進力と捉え、対話と協調によって市政を前へ進めてまいります。
 様々な施策を、次の世代へ確かに引き継ぐことのできる礎として、誰もが将来に希望を持てるよう、市政のあらゆる分野のバランスを取りながら、新時代への歩みを進めてまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆さまには、より一層のご支援とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

令和8年9月1日 下妻市長 菊 池  博  

 

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  • 【更新日】2026年9月1日
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