市長所信表明

 令和8年第2回下妻市議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明に先立ち、市長就任のごあいさつと、今後の市政運営に関する所信の一端を申し上げ、市議会並びに市民の皆さまにご理解とご協力をお願いしたいと存じます。
 去る3月29日に行われました任期満了に伴う下妻市長選挙におきまして、多くの市民の皆さまのご支援を賜り、第21代下妻市長に就任いたしました。今後4年間市政運営の重責を担わせていただくこととなり、改めて、市民の皆さま、そして議員各位に対し、深甚なる感謝を申し上げますとともに、その職責の重さに身の引き締まる思いでございます。ご支援を賜りました多くの方々の期待に応えるため、これまでの市議会議員としての7期にわたる経験を生かし、本市の発展と市民福祉の向上に全力を尽くしてまいる所存であります。
 私が市政運営の基本理念として掲げますのは、「決断と実行力 再生下妻」であります。この理念のもと、市民一人ひとりの声が届く、風通しの良い市政を実現するとともに、市民の皆さまが市政の担い手として参加できる、開かれた市政を推進してまいります。その目指すべき姿は、「市民の目線で住みやすさ日本一のまちをめざす」ことであります。ここで申し上げる「住みやすさ」とは、利便性に優れ、安全で快適性のバランスが整ったまちで、長期的に安心して生活できる環境のことであります。
 誰もがこのまちに誇りと愛着を持ち、安心して文化的な暮らしができることを理想とし、自然豊かな住環境に恵まれたこの下妻で、多くの方がこうした暮らしを実現できるよう取り組んでまいります。
 しかしながら、住みやすい環境を整えることは簡単なことではありません。現在、我が国を取り巻く情勢は、かつて経験したことがない人口減少社会の只中にあります。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、日本の総人口は今後も減少の一途をたどり、地方自治体の存在そのものも危ぶまれる時代を迎えております。
 本市におきましても、少子高齢化の進行は例外ではなく、生産年齢人口の減少、地域コミュニティの担い手不足、税収基盤の縮小といった構造的な課題に直面しています。加えて、長引く物価高騰は市民生活に深刻な影響を及ぼし、子育て世帯や高齢者世帯への負担はもとより、中小企業や農業者の経営をも圧迫しており、地域活力の低下が懸念されるところであります。さらに、気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化が全国各地で深刻な被害をもたらしており、防災・減災への備えも急務となっております。
 このような厳しい時代にあってこそ、課題を先送りにすることなく、市民の声に真摯に耳を傾け、迅速かつ的確に行動していくことが、市政に課せられた使命であると強く認識しているところであります。人口減少や財政の硬直化といった深刻な課題を、単なる「克服すべき壁」としてではなく、本市を変革する契機と捉え、前例に捉われることなく、常に新たな発想と果敢な挑戦をもって、このまちの未来を切り拓いてまいります。
 それでは、「住みやすさ 日本一」を目指すべく、その実現のために5つの重点政策を掲げ、今後、市政運営を進めていきたいと考えておりますので、その概要について申し上げます。
 第1の柱は、「子育て・教育・福祉の充実」であります。人口減少社会において、まちの持続的な発展を支える最も重要な基盤は「人」であります。子どもたちが健やかに育ち、若い世代が安心して子育てできる環境を整えることは、本市の未来への最大の投資であると考えています。今後、小学校あるいは中学校への入学時に、新たな門出を市が応援する仕組みや、教育環境の整備を推進してまいります。さらに、高齢者に優しい支援の充実にも力を注ぎ、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、介護予防事業の推進、生活支援サービスの拡充など、きめ細やかな施策を展開してまいります。
 第2の柱は、「自然と都市が共生する快適なまち」であります。本市は、砂沼をはじめとする豊かな自然環境と、利便性の高い都市機能を併せ持つまちであります。この恵まれた特性を最大限に活かし、誰もが快適に暮らせるまちづくりを進めてまいります。本市のシンボルである砂沼の魅力を活かした水辺空間の整備を推進し、市民の憩いの場として、また市外からの来訪者を迎える観光資源として、砂沼周辺の環境整備と利活用の促進を図り、自然と調和した魅力あるまちづくりを進めてまいります。さらに、高齢者や交通弱者の移動を支援するためにも、交通空白地帯の解消を目指し、地域公共交通の再編も検討してまいります。
 次に、第3の柱は、「人と文化を育むまち」であります。人と文化を大切に育み、まちの魅力を高めていくことが、持続可能な地域社会の実現につながるものと確信しております。なかでも、市民の文化活動の拠点でもある市民文化会館と下妻公民館の早期改修は喫緊の課題と捉え、必要最小限の改修を行い、すべての市民が安全かつ快適に文化芸術に親しめる拠点として再生してまいります。
 今定例会の補正予算にも、改修に向けた第一歩として文化施設改修予備調査委託料を計上したことから、この調査を速やかに実施し、施設の現状と課題を的確に把握した上で、施設改修の方向性を定めてまいります。あわせて、改修を着実に実現させるために、5月には庁内に「文化施設改修プロジェクトチーム」を立ち上げ、横断的に取り組むことによってスピード感をもって対応してまいります。
 市街地の活性化につきましては、中心市街地の空洞化に歯止めをかけ、空き店舗の利活用促進など、実効性のある施策を講じてまいります。加えて、移住・定住の促進に向けては、本市の住みやすさや子育て環境の充実を積極的に発信するとともに、移住希望者への支援体制を拡充してまいります。下妻で暮らしたい、下妻で子どもを育てたいと思っていただけるまちづくりを全庁を挙げて推進してまいります。
 第4の柱は、「賑わいと活力の創出」であります。地域経済の活性化と交流人口の拡大は、人口減少社会を乗り越えるための重要な鍵であります。砂沼サンビーチ跡地につきましては、茨城県が所有する土地であることから、県との緊密な連携を図り、老朽化した施設の解体に向け協議を丁寧に進めてまいります。また、施設解体後の跡地の利活用につきましても、市民の憩いの場、市民が主役となって活用できるイベント広場、さらには災害に備えた広域避難場所など様々な提案を積極的に働きかけてまいります。
 最後に、第5の柱は「災害に強い安全なまち」であります。本市は鬼怒川や小貝川の流域に位置していることから、水害への備えを強化するとともに、いつ発生するか分からない大地震に対しても生命と財産を守るために備えを万全にしなくてはなりません。そこで、広域避難場所の確保や既存の避難所の見直しと機能の強化、備蓄物資の充実などを計画的に進めるとともに、自主防災組織の活動支援、組織間の連携強化、行政との情報共有体制の整備を進め、防災訓練の充実や防災リーダーの育成にも取り組んでまいります。
 以上、5つの柱を市政運営のための重点政策とし、この目標を達成するために、今後、具体的な手段やアクションとなる施策を展開していく考えであります。
 人口減少、少子高齢化、物価高騰、自然災害の脅威、これらの課題は、いずれも一朝一夕に解決できるものではございませんが、困難な時代だからこそ、立ち止まることなく決断し、実行に移していくことが求められています。
 私はこれからの4年間、「決断と実行力 再生下妻」この言葉を胸に刻み、本市が持つ底力を信じ、市民の皆さまとともにこのまちを再び活力あふれるまちへと再生させるという揺るぎない決意のもと歩んでまいります。市民一人ひとりの声に耳を傾け、市民目線に立ち、共に歩み、共に創り、共に成長していく「選ばれる下妻」の実現に向けて、誠心誠意取り組んでまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆さまにはより一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。


                                     下妻市長  須藤 豊次

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  • 【ID】P-9179
  • 【更新日】2026年6月2日
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