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平成31年度施政方針(平成31年第1回下妻市議会定例会)

はじめに

平成31年第1回下妻市議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明に先立ち、平成31年度における施政の基本方針と市政運営の主要な事項について述べさせていただきます。

市民の皆様から市長として負託を受け、約11か月が経とうとしております。この間、私は、常に「連携」、「スピード感」、「見える化」をキーワードとして、様々な行政課題に取り組んでまいりました。そして、市長就任時に5つの政策を掲げ、「どこでも市長室」の実施、動画配信などによる「見える化」への取組、いわゆる小児マル福制度の受給対象者拡充、市内各小学校へのエアコン設置の決定など、市民が主役のまちづくりを進めてきたところであります。中でも、苦渋の決断であった砂沼サンビーチの廃止やビアスパークしもつまの指定管理者見直しなどは、市民の皆様をはじめ議員各位のご理解・ご協力がなければ決断できなかった行政課題でありました。

今後、砂沼サンビーチの跡地問題など、引き続き粘り強く取り組んでいかなければならない課題も多くありますが、私にとりましても1期2年目の重要な時期となります。様々な行政課題の解決に向けてスピード感をもってあたることはもちろんのこと、これまでの成果や進捗状況についても十分に検証を行い、一歩一歩着実に進んでまいりたいと考えております。何ごとにも従来の延長線上の考え方・対応策にとらわれず、失敗を恐れず、積極的にチャレンジをしてまいりますので、議員各位をはじめ、広く市民の皆様のご支援・ご協力を賜りますようお願いいたします。

さて、国内の経済状況でありますが、内閣府が2月に公表した月例経済報告によりますと、国内経済の基調判断は、1月月例に引き続き、依然として「緩やかに回復している。」としております。また、先行きについても、「雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待される。ただし、通商問題の動向が世界経済に与える影響や海外経済の動向と政策に関する不確実性、金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある。」との判断を示しております。

県内においても、「県内経済は、緩やかに回復しつつある。」と総括判断をしているところでありますが、依然として大都市への人口流出が進んでおり、本年1月1日現在の県人口は、288万1,020人、前年と比較して1万4,887人の減少、特に県北・県西地域で減少幅が大きくなっており、本市でも強い危機感を持っているところであります。

このように人口減少・少子高齢化社会が進展する中、本市における社会保障制度に要する経費は年々増加しており、さらに公共施設の維持管理費や人件費、公債費についても増加する見通しであるため、事務事業の効率化、行政コストのさらなる節減を進めていかなければならない状況にあります。

また、歳入においても、所得環境の改善や企業の進出に伴って市民税や固定資産税の増加が見込まれる一方、普通交付税は、合併算定替えの段階的な削減の4年目に入り、民間委託等による業務改革を反映した算定の見直しなど平成31年度も大幅な削減は避けられない状況にあることから、財政運営に必要な一般財源総額の確保に影響が及んでいるところであります。

この大変厳しい財政状況のもと、現在、本市においては、平成30年度からスタートした第6次総合計画に基づく各種施策の展開を図っているところでありますが、各種施策を推進するにあたり、貴重な財源を効果的かつ効率的に活用し、事業の選択と集中をより一層進めていくことが大変重要であると考えております。そして、市総合計画に掲げた6つのまちづくりの目標の実現に向け確実に歩むとともに、未来の下妻市が高品質なサービスをより低コストで受けられる持続可能な住みよいまちとなることを目指し、次に掲げる5つの基本方針を軸として市政を運営してまいります。

5つの基本方針

第1に、市民が主役のまちづくりであります。

市政を運営するにあたり、まずは多くの皆さまの声を聴き、それをできる限り反映することが重要であると考えております。地域の様々な集まりに出向く「どこでも市長室」を随時開催するなど、各世代のご意見を広くお聴きしてまいります。

第2に、元気な下妻づくりであります。

私は、昨年、下妻市民に40年愛された施設である「砂沼サンビーチ」の廃止を決断いたしました。そして、更地にした後、通年利用可能な施設を模索していく方向で進めることといたしました。今後は、公園管理者である茨城県との調整を図りながら、市民の皆様・議会のご意見を参考にし、市開発公社所有地、ビアスパークしもつまなど砂沼西岸地域のインフラとの相乗効果を狙った一体的な活用を進め、市民の憩いの場、さらには観光など交流人口の増加が期待できるエリアをつくり上げてまいります。

「ビアスパークしもつま」については、4月から新たな指定管理者による運営が開始されます。民間活力の導入による再建を一歩ずつ進め、これまで同様、市民の皆様に愛される施設として活用してまいります。

また、「道の駅しもつま」については、株式会社ふれあい下妻の運営で進めてまいりますが、今後、近隣自治体との競争がますます激しくなると考えられます。新たな商品開発や販売販路の拡大、下妻産品の対外的PRなどを積極的に推進し、経営基盤の強化を図るとともに、ふるさと納税などを活用した「関係人口」の増加も目指してまいります。

産業の振興では、引き続き基幹産業である農産物のブランド化や梨・米・メロンなど農産品の海外輸出、6次産業化を積極的に推進し、農・商・工のバランスある発展を目指してまいりたいと考えております。

さらに、まちづくりの新たな取組として、これまでの「プレイスメイキング」に加え、スポーツを活用した、にぎわいのあるまちづくりを進めてまいります。これらの活動を通じて、「Waiwaiドームしもつま」や「さん歩の駅サン・SUNさぬま」など現有資産の積極的な利活用を進めてまいります。

第3に、子育て・教育環境の向上と高齢者・障害者にやさしい地域づくりであります。

昨年夏の猛暑は、「命の危険があり一つの災害である。」と伝えられました。児童たちの教育環境の向上を図るため、各小学校の普通教室に空調設備を設置してまいります。

また、保育待機児童の解消や児童・生徒の学力向上、就学前教育に力を注ぎ、更なる教育環境の充実を目指してまいります。

一方、高齢化及び核家族化の著しい進展に伴い、いわゆる交通弱者が増加する中、公共交通の拡充が喫緊の課題となっております。平成31年度は、筑西市との広域連携バスの実証運行に向けた調査を実施するとともに、コミュニティバスを補完する「高齢者福祉タクシー利用料金助成事業」及び「障害者福祉タクシー利用料金助成事業」の拡充を図ってまいります。さらに、その他の路線についても、つくば市や八千代町との連携を視野に入れた調査を進め、高齢者など交通の手段を持たない方々が通院や買い物ができる環境を、一歩ずつ整えてまいりたいと考えております。

第4に、安全で安心なまちづくりであります。

老朽化が進んだ防災行政無線の更新とデジタル化の工事を平成30年度に引き続き実施し、災害に強いまちづくりを進めてまいります。

また、災害時の応援協定を締結している福井県あわら市、東京都足立区、千葉県浦安市との連携を更に強化し、「あるもの」と「ないもの」を互いに補完し合うなど、災害時以外の交流も進めてまいります。

第5に、行財政改革の推進であります。

本市では、昨年、「第5次下妻市行政改革プラン2018-2020」を策定いたしました。持続可能な行財政運営を目指し、「コスト意識」と「プロ意識」を持って行財政改革に取り組んでまいります。

また、ライフスタイルの変化に対応した市民サービスを可能とするため、夜間窓口の開設など窓口業務の拡充を図るほか、将来の新庁舎に対応した行政組織の在り方について検討を進めてまいります。

さらに、社会情勢の変化に対応した公共施設マネジメントを強く推進し、選択と集中による施設の老朽化対策等を実行すると同時に、新庁舎建設事業についても市民の皆様や議員各位のご意見を伺いながら進めてまいります。

以上、平成31年度市政運営の軸となる5つの基本政策を述べさせていただきましたが、これらの政策を、私の政治信条である「積小為大」のとおりコツコツと、しかし、時には大胆に、スピード感をもって進めてまいりたいと考えております。そして、下妻市が多くの人に愛され、私たちの誇りとなり、市民の皆様が「住んでよかった」と思える「さりげなく素敵なまち」となるよう、その実現に向け全力で取り組んでまいりますので、皆様には、ご理解・ご協力を賜りますようお願いいたします。

平成31年度当初予算の概要

続いて、平成31年度当初予算の概要についてご説明申し上げます。

一般会計、特別会計及び水道事業会計を合わせた予算の総額は、286億2,964万6,000円で、前年度比13億8,926万5,000円、5.10%の増となっております。このうち一般会計の当初予算額は、167億9,500万円で、前年度比11億6,100万円、7.43%の増でありますが、6月補正後の予算額と比較いたしますと、0.31%の増であります。

なお、砂沼サンビーチ特別会計については、施設の廃止に伴い、一般会計と区分して経理する必要がなくなりましたので、廃止いたします。

次に、本市の財政の見通しでありますが、雇用・所得環境の改善や誘致企業の固定資産税課税免除の終了などにより、市税全体では、前年度比1億7,492万3,000円の増を見込んでおります。また、普通交付税については、税収の増や合併算定替の段階的な削減を考慮し、前年度比1億5,000万円の減を見込んでおります。

なお、平成31年度においても、歳入不足により、その財源として各種基金からの繰入金9億9,974万2,000円を計上しております。

主要な事業:6つのまちづくりの目標

次に、主な事業でありますが、第6次下妻市総合計画基本構想に掲げる6つのまちづくりの目標達成に向け、各施策を実施してまいります。

目標1:誰もが健やかに暮らせる「安心なまち」では、子育て、医療、社会福祉施策として、子育て世代包括支援センターの開設、各種予防接種事業、障害者及び高齢者福祉タクシー利用助成事業の拡充等を行ってまいります。

タクシー利用助成事業については、利用対象者や利用枚数の拡充を図り、より使いやすくいたします。これにより、障害者及び高齢者の外出機会を促進し、交通弱者の足の確保を図ってまいります。

次に、目標2:人と文化を育む「心豊かなまち」では、教育、文化施策として、英語教育推進事業、国体推進事業、小・中学校給食事業の充実、あわら市との教育交流事業補助、姉妹都市等交流事業等を行ってまいります。

本年9月29日から、第74回国民体育大会が開催され、本市では、少年男女ソフトボールが行われます。会場となる柳原球場の環境整備工事等を確実に実施し、万全な状態で選手・関係者をお出迎えするとともに、オール下妻体制で大会を盛り上げていきたいと考えております。

学校給食については、自校方式の旧下妻市地区で採用していた月曜日の米飯弁当持参を廃止し、自校方式の保護者負担を軽減するとともに、センター方式の旧千代川村地区との均衡を図ってまいります。
また、姉妹都市等交流事業については、これまで、あわら市との交流事業に限っていた経費の補助対象に足立区、浦安市を加えるもので、自然、歴史、文化、伝統等を通じた市民同士の交流をより促進してまいります。

次に、目標3:にぎわいと活気を生み出す「活力あるまち」では、観光、産業振興施策として、いばらきの産地パワーアップ支援事業、買い物お助け隊事業補助、ビアスパークしもつま管理運営事業、各種イベント事業等を行ってまいります。

ビアスパークしもつまについては、4月から株式会社クリーン工房が指定管理者となります。民間活力の導入により業務の効率化やサービスの向上を目指し、お客様に喜ばれる施設運営を行ってまいります。

次に、目標4:環境にやさしく災害に強い「安全なまち」では、生活・環境施策として、ごみの減量化・再資源化事業、防災行政無線デジタル設備整備事業、地球温暖化対策事業等を行ってまいります。

近年、東日本大震災や関東・東北豪雨など、大規模災害が頻繁に発生しております。防災行政無線デジタル設備整備事業などハード面の施策を確実に実施し、災害に強い「安全なまち」を目指してまいります。

次に、目標5:自然と都市が共生する「快適なまち」では、都市基盤の整備として、街路交通調査事業、道路整備事業、地域公共交通広域連携交通網形成調査事業等を行ってまいります。

道路整備事業では、都市計画道路南原・平川戸線の用地取得がすべて完了し、平成31年度末に工事が完了する見込みとなりました。これにより、国道294号からつくば下妻工業団地への連絡軸が完成し、アクセス時間の短縮や市街地から大型車が排除される効果が期待できるものと考えております。

公共交通網の整備・拡充では、筑西市との広域連携バスのニーズ調査と需要把握を実施いたします。市内交通空白地域の解消に向け、一歩ずつ整備を進めてまいります。

最後に、目標6:市民と共に次世代を築く「自立したまち」では、地域おこし協力隊事業、夜間窓口開庁業務等を行ってまいります。

地域おこし協力隊事業は、都市地域から下妻市へ生活拠点を移した方に「地域おこし協力隊」を委嘱するもので、主に特産品のPRや「道の駅しもつま」を拠点としたふるさと納税返礼品の企画立案、地域資源を活用した下妻の魅力再創造など「地域協力活動」を担っていただき、シティプロモーションを推進してまいります。

また、市民サービスをより一層向上させるため、月に2回、午後7時まで夜間窓口を開設し、多様化する働き方に対応してまいります。

なお、各種項目については、財政健全化に向けた見直しを継続的に行い、節減を図りました。

以上、平成31年度市政運営の基本的な方針と主な施策について申し上げましたが、これらの施策を着実に実施し、市民が誇れるまち、市民に愛されるまちを目指し、市民が主役のまちづくりを進めてまいりますので、議員各位をはじめ市民の皆様のより一層のご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。

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