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令和2年度施政方針(令和2年第1回下妻市議会定例会)

はじめに

令和2年第1回下妻市議会定例会の開会に当たり、提出いたしました議案等の説明に先立ち、令和2年度における施政の基本方針と市政運営の主要な事項について述べさせていただきます。

令和2年度は、市長就任から3年目となり、市政の舵取りを担わせていただいてから、任期の折り返しの時期を迎えようとしております。

これまで市政運営については、市長就任時に掲げた「市民が主役のまちづくり」「元気な下妻づくり」「子育て・教育環境の向上と高齢者・障害者にやさしい地域づくり」「安心・安全なまちづくり」「行財政改革の推進」の5つの政策を推進してまいりましたが、これらを推進するに当たっては、常に「連携」「スピード感」「見える化」をキーワードとして、行政課題に取り組んでまいりました。

令和元年度には、化粧品・健康食品の製造販売メーカーであるDHCや日本ムービングハウス協会、東京マラソン財団との包括連携協定の締結による公民連携の実現、行政改革プランの推進から「事務事業評価の公表」による市政の「見える化」の実施、市内各小学校の普通教室へのエアコン設置など、スピード感を持って市民が主役のまちづくりを進めてきたところであります。

令和2年度には、長年の懸案であった都市計画道路・南原平川戸線が完成の運びとなり、合併時からの課題である新市庁舎建設についても、現庁舎南東の位置に建て替えを決定し、現在、基本設計を策定中であります。今後、令和5年5月の開庁を目指し、実施設計、建設工事と作業を進めてまいります。

私の市長就任後に閉鎖を決定した砂沼サンビーチについては、現在、 施設の撤去に向けた関係機関との協議を行っており、茨城県開発公社から本年8月着工、来年9月完了という事業スケジュールが示されております。

また、今年度、指定管理者が第三セクターから民間企業に変わり、指定管理料を大幅に削減したビアスパークしもつまについては、民営化により経営の再建を図っているところであります。

加えて、今後の市政運営においては、「環境」を一つのテーマに掲げ、国連で採択された持続可能な開発目標である「SDGs」(エスディージーズ)の理念に基づく持続可能なまちづくりを推進してまいりたいと考えております。

まず、自然環境の面では、砂沼や鬼怒川、小貝川などの水辺をはじめ、豊かな田園風景の保全活動や花のまち・しもつまの推進など、本市の恵まれた自然を大切な地域資源ととらえ、その維持保全や活用を推進してまいります。

次に、子育て・教育環境の面では、引き続き保育園などの待機児童の解消を重点事項に位置づけるとともに、中学生の英語キャンプや大人のための英会話教室、小・中学生を対象とする英語検定料の補助を継続し、「英語のまちづくり」を推進してまいります。

さらに、住環境の面では、地域公共交通の利便性を高めるため、筑西市との広域連携バスの実証運行や交通空白地帯の解消に向けた新たな路線の調査・研究を行ってまいります。

これらの施策を推進するに当たっては、SDGsの基本理念にある「だれ一人取り残さない」を念頭に置きながら、課題解決に向けた取組を積極的に行い、市民協働のまちづくりによる下妻市の持続可能な発展を目指してまいります。

さて、昨年は、天皇陛下がご即位され、元号が平成から令和へと改まり、新しい時代を迎えた中、消費税率10パーセントへの引き上げによる増収分の一部を活用した幼児教育・保育の無償化がスタートし、今後の少子化対策に期待が持たれております。

一方、9月には令和元年房総半島台風、10月には令和元年東日本台風が日本列島を襲い、東日本を中心に大きな被害をもたらしました。本市においては大規模災害には至りませんでしたが、他の自治体においては死者や負傷者が出て、多くの住居や公共施設等が甚大な被害を受けております。

ここに改めて、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。近年の想像を超える自然災害から市民の皆様の生命と財産を守るため、市長として、的確な災害対応の必要性を強く感じているところであります。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される令和2年度は、大会の開催を通じて経済効果が期待されるとともに、雇用ニーズの高まりや消費活動の活発化などにより、地方創生の可能性も秘めております。

本市においても、東アフリカ・ブルンジ共和国のオリンピック・パラリンピック選手団をホストタウンとして受け入れる準備を進めており、市民有志による活動を中心にスポーツや文化、経済などを通じた相互交流による地域活性化の推進が期待されるところであります。

令和の新しい時代にあって、本市は、人口減少や厳しい財政状況など困難な課題に直面しておりますが、その先の未来を見据えながら、課題に真正面から立ち向っていく決意であります。

各種施策を推進するに当たっては、全職員が「コスト意識」と「プロ意識」を持ち、徹底した「選択と集中」による行財政改革の視点を盛り込みながら、良質な市民サービスを効果的・効率的に提供できるよう努めてまいります。そして、下妻市が持続可能な住みよいまちとなることを目指し、引き続き次の5つの基本政策を軸として市政を運営してまいります。

5つの基本方針

第1に、市民が主役のまちづくりであります。

市政を運営するに当たり、広く市民の皆様の声を行政に反映させるため、「どこでも市長室」の開催を継続しながら、新たに市政説明会も開催するなど、広聴事業の拡大により、市民の皆様のニーズを的確にとらえてまいります。併せて、広報活動においては、広報紙、ホームページ、SNSなどの広報媒体を適切に組み合わせ、受け手の視点に立った分かりやすく効果的な情報発信に努めてまいります。

第2に、元気な下妻づくりであります。

現在、施設の撤去に向けて関係機関との協議を進めている「砂沼サンビーチ」については、今後、議員各位をはじめ、市民の皆様のご意見を参考としながら、茨城県や茨城県開発公社と協議・調整を行い、市開発公社所有地、ビアスパークしもつまなど砂沼西岸地域のインフラと相乗効果を狙った一体的な活用を進めることにより、市民の憩いの場として交流人口の増加が期待できる魅力的なエリアとなるよう努めてまいります。

「道の駅しもつま」については、指定管理者である株式会社ふれあい下妻と共に、ふるさと納税の返礼品とタイアップした新たな商品開発や販路の拡大、SNSを活用した下妻産品のPRなどを積極的に実施し、地元や周辺地域のリピーター確保に努めた上で、周辺の類似施設に影響されない経営基盤の強化を目指してまいります。

また、産業の振興では、私自らがトップセールスを行い、引き続き基幹産業である農産物のブランド化や梨・米・メロンなど農産品の海外輸出、6次産業化を積極的に推進するとともに、これまで誘致してきた企業への個別訪問や企業情報交換会を実施し、農・商・工のバランスある発展を図ってまいります。

さらに、まちづくりの新たな取組として、DHCや東京マラソン財団との公民連携の協定を積極的に生かし、健康づくりやスポーツを通じて、にぎわいのあるまちづくりを進めてまいります。

第3に、子育て・教育環境の向上と高齢者・障害者にやさしい地域づくりであります。

子育てをしながら、男女ともに働きやすい社会を実現するため、保育待機児童の解消を進めるとともに、児童・生徒の学力向上、就学前教育に力を注ぎ、更なる教育環境の充実を目指してまいります。

高齢化の著しい進展に伴い、運転免許証の自主返納者を含む、いわゆる交通弱者が増加する中、地域公共交通の拡充も喫緊の課題となっております。令和2年度は、筑西市との広域連携バスの実証運行を実施するとともに、その他の路線として、つくば市や八千代町との連携を視野に入れた調査・研究を進め、高齢者など交通の手段を持たない方々が通院や買い物ができる環境を、一歩ずつ整えてまいりたいと考えております。

第4に、安全で安心なまちづくりであります。

近年、台風や大雨の被害が大きくなってきており、自然災害は、市民にとって脅威であります。だれもが安心して暮らせる災害に強いまちづくりを進めるべく、災害その他の危機に対し、迅速かつ的確に対応するため、危機管理施策を統括する部署として、消防交通課に「危機管理室」を新たに設置し、危機管理体制の強化を図ります。また、災害対策活動の拠点として必要な耐震性能を確保した新市庁舎の整備に向けて、実施設計等を進めてまいります。

第5に、行財政改革の推進であります。

本市においては、厳しい財政状況にあって、新年度予算の編成も困難を極めたところでありますが、不足する財源を補う方策として、優良企業の誘致による雇用や税収の確保をはじめ、これまで以上に「ふるさと納税」の制度を活用していく考えでおります。先ごろ、本市においても、子どもの弱視対策のため、初めてクラウドファンディングを実施し、3歳児検診に必要な検査機器を導入することができました。この成功事例を糧とし、今後も知恵と工夫により、政策を実現していく考えでおります。

また、社会情勢の変化に対応した公共施設マネジメントを強く推進し、「選択と集中」による施設の老朽化対策等を実行するとともに、今後の市民文化会館や下妻公民館の在り方についても、市民の皆様や議員各位のご意見を伺いながら進めてまいります。

以上、令和2年度の市政運営の軸となる5つの基本政策について述べさせていただきましたが、これらの政策を、私の政治信条である「積小為大」のとおり、小さなこともおろそかにせず、しかし、時には大胆に、スピード感をもって進めてまいりたいと考えております。その上で、下妻市が多くの人に愛され、住む人の誇りとなり、市民の皆様が「住んでよかった」と思える「さりげなく素敵なまち」となるよう、その実現に向け全力で取り組んでまいりますので、皆様には、ご理解・ご協力を賜りますようお願いいたします。

令和2年度当初予算の概要

続きまして、令和2年度当初予算の概要についてご説明申し上げます。一般会計、特別会計、水道事業会計及び下水道事業会計を合わせた予算の総額は、292億6,684万9,000円で、前年度比6億3,720万3,000円、2.23パーセントの増となっております。このうち一般会計の当初予算額は、167億1,000万円で、前年度比8,500万円、0.51パーセントの減であり、ほぼ前年度並みとなっております。

なお、下水道事業については、都道府県及び人口3万人以上の市町村において、国から令和2年度予算・決算までに地方公営企業法を適用することが求められているため、特別会計から企業会計に移行いたします。

続きまして、本市の財政の見通しであります。法人市民税は、法人税割の税率引下げに伴い減収となりますが、市税全体では、誘致企業の固定資産税課税免除の終了などにより、前年度比1,620万2,000円の増となります。また、法人市民税法人税割の減収分を補てんする措置として法人事業税の一部を都道府県から市町村に交付する法人事業税交付金が新設され、その交付額として5,600万円、普通交付税については、国が示した試算の内容を踏まえ、前年度比1億円の増を見込んでおります。

なお、令和2年度においても、歳入不足により、その財源として各種基金からの繰入金9億5,567万5,000円を計上しております。

続きまして、主な事業であります。第6次下妻市総合計画基本構想に掲げる6つのまちづくりの目標達成に向け、各施策を実施してまいります。

はしめに、目標1:誰もが健やかに暮らせる「安心なまち」では、

子育て・医療・社会福祉施策として、家庭的保育事業や骨髄ドナー助成金交付事業、各種予防接種事業の拡充を行ってまいります。

家庭的保育事業では、0歳児から2歳児までの受け皿を重点的に確保することにより、待機児童の解消を図ります。

骨髄ドナー助成金交付事業では、公益財団法人日本骨髄バンクが実施する骨髄バンク事業において、骨髄・末梢血管細胞を提供した市民の方に助成金を支給するもので、各種接種事業では、新たにロタウィルスワクチン予防接種等を追加してまいります。タクシー利用助成事業については、利用対象者や利用枚数の拡充を図り、より使いやすくいたします。これにより、障害者及び高齢者の外出機会を促進し、交通弱者の足の確保を図ってまいります。

次に、目標2:人と文化を育む「心豊かなまち」では、

教育・文化施策として、中学生英語キャンプ補助や英語教育推進事業、姉妹都市福井県あわら市との教育交流事業補助などを行ってまいります。

英語教育推進事業では、英語指導助手等の配置により「英語のまちづくり」に資する取り組みを行うとともに、中学生英語キャンプ補助金では、国際社会で活躍できる人材を育成するため、英国を再現した施設における宿泊研修を行い、英語を実践しながら英国の伝統文化やマナーを体験する参加費に対する補助を行ってまいります。

次に、目標3:にぎわいと活気を生み出す「活力あるまち」では、

観光・産業振興策として、ブランド推進事業や「道の駅しもつま」の施設機能改善、「ビアスパークしもつま」の改修、各種イベント事業などを行ってまいります。

ブランド推進事業では、6次産業化により生まれた特産物及び農畜産物のPR活動を積極的に行い、市内をはじめ、日本国内及び海外で販売促進事業を展開してまいります。

「道の駅しもつま」及び「ビアスパークしもつま」では、市の内外からの集客や観光客の増加による交流人口の更なる拡大を図るため、施設の機能改善や改修を行い、利用者の利便性向上及び施設の活性化につなげてまいります。

次に、目標4:環境にやさしく災害に強い「安全なまち」では、

生活・環境施策として、環境アクションプラン策定事業や地域防災計画改定業務などを行うほか、前年度に引き続き防災行政無線デジタル設備整備事業を行ってまいります。

また、地域活性化を推進するため、シティプロモーション推進事業や「わくわく茨城生活実現事業」などを行ってまいります。

近年、私たちは、大きな地震や津波、台風による豪雨などが及ぼす甚大な被害を目の当たりにしてきました。防災行政無線デジタル設備整備事業などハード面の整備やハザードマップ等による避難方法の情報提供などソフト面と一体となった施策を確実に実施し、国による国土強靭化対策と並行した災害に強い「安全なまち」を目指してまいります。

一方、平成27年9月関東・東北豪雨災害後に「鬼怒川緊急対策プロジェクト」として堤防の整備が進められましたが、本年の夏には、下妻市区間の堤防がおおむね完成をいたします。また、堤防をサイクリングロードとして活用する「かわまちづくり」の計画も進み、このサイクリングロードを地域活性化に生かすため、本年秋ごろにサイクリングイベントを開催してまいります。

さらに、シティプロモーション事業として、街なかの商業施設等に自転車スタンドを設置し、サイクルステーションや休憩スポットを順次増やすなど、自転車愛好家を市内に集客し、自転車のまちを演出する様々な取組を行い、本市の魅力を積極的に発信してまいります。

わくわく茨城生活実現事業は、東京圏在住で23区に通勤する方が下妻市に移住し、対象となる就業先に就職した場合に移住支援金を支給するもので、本市への移住・定住の促進と中小企業等における人手不足の解消を目指してまいります。

次に、目標5:自然と都市が共生する「快適なまち」では、

都市基盤の整備として、道路整備事業や広域連携バス運行事業、地方再生コンパクトシティモデル事業などを行ってまいります。

道路整備事業では、「しもつま鯨工業団地」の関連事業として国道294号から工業団地へのアクセス道路の拡幅を平成30年度から行ってまいりましたが、令和2年度に完成する見込みとなりました。

これにより、国道294号から「しもつま鯨工業団地」への大型車等のアクセスがスムーズになり、誘致企業の工場建設や操業開始に向けた諸事業が円滑に進められる効果を期待しております。

公共交通網の整備・拡充では、下妻駅から筑西市川島駅周辺へのルートで、沿線住民や高校生をターゲットとした広域連携バスの実証運行を行い、本市と筑西市との広域交通網を形成してまいります。

また、地域公共交通に関する計画の再策定を行い、市内交通空白地域の解消に向けて調査・研究しながら、一歩ずつ整備を進めてまいります。

地方再生コンパクトシティモデル事業では、地域資源である砂沼の親水空間や市街地内の既存ストックを活用し、「東京マラソン財団との包括連携協定」を活用したランニングイベント等を実施することにより、スポーツを通した「にぎわいのあるまちづくり」を推進してまいります。

最後に、目標6:市民と共に次世代を築く「自立したまち」では、

個人番号カード普及促進事業やマイナポイント事業、文化施設調査事業などを行ってまいります。

個人番号カード普及促進事業では、国が令和3年3月からマイナンバーカードを利用した健康保険証を本格運用することなどを受け、臨時申請窓口の設置をはじめ、福祉施設や民間企業に職員が出張して申込みを受けるなど、市民にとってマイナンバーカードの申込みがしやすい環境を整備し、交付率向上を図ってまいります。

「マイナポイント事業」では、本年7月から申込みが開始となるマイナポイントの活用により、消費の活性化やマイナンバーカードの普及促進、官民キャッシュレス決済基盤の構築を目的として実施してまいります。

文化施設調査事業では、行政組織を見直して新たに市民協働課に文化施設調査室を設置し、市役所に隣接する下妻市民文化会館、下妻公民館の両施設について、市民の皆様の意見を伺いながら、今後の在り方や方向性を検討してまいります。

以上、令和2年度市政運営の基本的な方針と主な施策について申し上げましたが、これまでの施策の成果を次につなげていくため、私自身、使命感と覚悟を持ち、全身全霊をもって市政運営に取り組んでいく決意であります。議員各位をはじめ、市民の皆様には、より一層のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

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